お知らせ

’42WLA

西東京店に展示中の’42WLA。

オーナーである元スタッフA氏からの依頼で車検を取得することになりました。

数年間シティで展示されていたのでそのままでは動かすことはできません。

エンジンを始動するためキャブレターを清掃します。

ビンテージハーレーのキャブの代名詞リンカート。

↓ リンカートM88 これがWLAのキャブレターです。

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メカ的な話になりますが、部品の点数は現代のキャブに比べて非常に少なく、各部品・部分の作りを見てそれぞれの役割が判るような構造をしています。

メインやスローのジェットは無く、「POWER」と「IDLE」の二つのアジャストスクリューで燃料の濃さを調整します。

分解する過程で元の状態を確認し記録しながらパーツを取り外します。

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キャブの入り口に付くフューエルストレーナー(ガソリンのフィルター)とフロートボウル(下の銀色の丸いところ)は蒸発したガソリンの残留物でドロドロでした。

各部品を綺麗に清掃しガスとエアの通り道の開通を確認します。スロットルプレートの状態やフロートバルブの密閉度は非常に良好で、このWLAのコンディションの良さを物語っているようでした。

エンジン始動のために先ずは濃い目の設定で組付けてそこからスクリューを絞ってセッティングをしていきます。

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バッテリーを新品にし、タンクにレギュラーガソリン(サイドバルブはオクタン価の低い燃料で運転が可能)を入れ、エンジンを始動!!

その後エンジンオイルを交換し、トランスミッションオイルを点検し、車体各部にあるグリースフィッティングにグリスガンでHD純正マルチパーパスグリースを注入しました。

6ボルトの電装で(現行のHDは12ボルト)ライトの光量が基準に達するかが心配です。

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今回の車検は乗車定員変更2人→1人(何故か2人乗りの登録に…)のため構造変更になりました。

仮ナンバーを取得し自走して陸事まで行きました。検査ラインに並びます。

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結果ライトの光量も問題無く、無事2年間の有効期間をゲットできました。

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メカニックになって今まで何台ものHDを車検で陸事に持ってきましたが、やはり最終判定のハンコをもらう瞬間は何ともいえない達成感があります(笑)

しかもここまで旧いバイクを車検に通したのは人生初の経験でしたので今回は感動しました。

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現代のHDモーターサイクルの原点ともいえるこのグッドコンディションなWLAに触れ、整備をし、走らせるという非常に貴重な経験をすることができました。

WLAは現在西東京店にありますので、45”サイドバルブの雄姿を見に、鼓動を感じに是非いらして下さい。

60年以上前に作られたモーターサイクルが今も現役で走行することができる…貴方のモーターサイクルもメンテナンスをすることで一生でも楽しめるということを意味していると思います。

HDシティ西東京店 メカニック 山本晋平

 

余談ですが…

実はこの45”サイドバルブは数在るビンテージHDの中でも僕の憧れのエンジンで、WLやWLA等はいつか所有したい!と昔から強く思っているモーターサイクルです。

この素晴らしい経験をする機会を与えて下さったA氏と僕の勤務するHDシティに心から感謝の気持ちでいます。

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