抜きましょう♪
これ…何だかわかりますか?!
答えは
キングツアーパックのラッチでした。
ちなみに画像の車両のラッチではありません。
ところで最初の画像のラッチですが、二箇所の取り付け穴の一つに何か入ってますね。
穴の入り口でスクリューが折れてますよー。
サイズは#6-32。太さ3.3ミリぐらいの小さなスクリューです。
どうしますかね。
抜くべし。
折れたスクリューのセンターにポンチを打ち、1.5ミリのドリルで真っ直ぐに掘ります。
これで狙いが外れると、後でうまくいかなくなってきたりしますので入念に。
スクリューの周りに熱を加え、外しやすくします。
ホントはヒーティングガンを使って熱するのですが、ピンポイントなのでライターの直火で。
ヒーティングガンはヘアドライヤーの強力版で、400℃~500℃の熱風が出るツールです。
スクリューが簡単にはずれないように塗布されているスレッドロッカーは200℃~270℃で分解します。
穴にできるだけ深くヘックスを打ち込みます。真っ直ぐに。
浅いとすぐ外れたり空転します。小さなハンマーでヒットして2~3ミリ入れました。
もう少し太いスクリューであればエキストラクターを打ちこんだり逆タップみたいなツールをねじ込んで回すのですが。
サイズが小さすぎるので穴にギリギリ入らないぐらいのヘキサゴンレンチで代用です。
折れたスクリューが僅かに回りました。
まだ回転できないので潤滑油を注し、緩める方向と締める方向に交互に回し徐々にその範囲を拡げていきます。
取れました。
ラッチ側のスレッドも問題なく使用できる状態でした。
ヘキサゴンレンチに嵌まった残骸がセットスクリュー(イモネジ)みたいに見えますね。
これでまたラッチが使えるようになりました。
それにしても…
凄いですよねこのドリル。
良い仕事してくれますよー。
こういうツールを見てると痺れますね(笑)
HDシティでは折れたスクリュー・ボルトの除去、損傷してしまったネジ穴の修復等、随時受け付けております。
スレッド関係のトラブルで使えなくなってしまった部品等、諦める前に相談して下さい。
西東京店メカニック 山本晋平